バズれ!ラボラトリーズ!!

世界は狭い、そして広い。どっちやねん。

くだらない自己啓発凡なんか読まないで『学問のすすめ』をすすめ!

今年出会ったものの中で一番を挙げるとすればアニメ『宇宙よりも遠い場所』か、福沢諭吉学問のすすめ』だ。
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僕は恥ずかしながらこの歳になるまで『学問のすすめ』を読んだことがなかった。名前も著者も始まりの一文も知っていたが中身については全く知らない本だった。なんとなく、難しくてお堅い本なんだろうなと思って敬遠していたのだ。

しかし、本当にたまたま、書店で『現代語訳学問のすすめ』という本を見かけたとき、どういうわけか「買ってみよう」と思ったのだ。おそらく気が動転でもしていたんだろう。現代語訳なら読めるかも知れないと思ったのかもしれない。

「天は人の上に人を造らず。人の下に人を造らず」
この文を知らない人は少ないだろう。学問のすすめはこの一文から始まる。
ようするに、「人は生まれながらに平等だ」という意味の言葉だ。
だが、諭吉はすぐにこれを否定している。でも現実には金持ちもいれば貧乏人もいる。愚か者もいれば賢人もいる。全く平等じゃない。と。
そして、生まれながらに平等であるはずなのになぜそのような差が生じるのか。それは学問をしているかしていないかだ。と続ける。受け取り方は様々だけれど、僕は「金持ちや権力者になりたければ勉強して学問を身に付けろ」と言われている気がした。

諭吉の言う学問というのは本を読んだり、数学の問題を解くということだけではない。学んだこと、知ったことを実生活で発揮し、社会に立ち向かうところまでを指している。いくらたくさん本を読んだところで、それで生活や社会が改善されなければ意味がない、と。

学問のすすめというと著者は福沢諭吉で、福沢諭吉といえば慶應義塾現代日本の私立大学で絶対的トップとして君臨し続けている慶應義塾大学創始者だ。
そんな人間が書く本だからとても難しいのではないかと普通は思う。だが、この本は『学問のすすめ』のタイトル通り、まだ学問を志していない僕たちのような一般の人々に向けた本だった。だから諭吉はなるべく分かりやすく、簡単な例をたくさん用いて「勉強した方がいいぞ!」と言っている。そして、学問のすすめに書かれている考え方や、社会に対する姿勢は今の日本にこそ、ガッチリと当てはまり、必要とされているものばかりだ。


世の中には「成功するためのメソッド」や「新時代の働き方」のような心踊るキャッチコピーを掲げる自己啓発本、ビジネス書が溢れかえっている。
だが、僕は声を大にして言いたい、

「そんなもの読むよりまずは学問のすすめを読め」と。

なんせ、僕もこれを読んでからあと10年は早く読んでおけば良かったと思ったくらいだ。
明治時代に書かれてから100年以上経った今も残り続けているだけある名著だ。日本で最も価値のある(1万円)人物だというのも頷ける。