バズれ!ラボラトリーズ!!

世界は狭い、そして広い。どっちやねん。

脳みそがバグった話

もー!とても久々に「うっわあ、なんでこんな勘違いしてしまったんだ!?」という出来事があった。恥ずかしいを通りこしてむしろスッキリした、山の朝のような清々しさすら感じてしまうほどだった。

それは家で留守番中に宅急便届いたことから始まる。

うちはものすごく大家族なのでお手紙や荷物などの宅配物もたくさん届く。で、たまたま一人で留守番することになり、もうそれはそれはダラダラした日曜を過ごしていたところに宅配のお兄さんがやって来たのだった。

計四点の宅急便。その伝票ひとつひとつにサインをしていく。量が多いし早くダラダラに戻りたかったので流れ作業でパパッと書いたのだが、なんとこれが悲劇の始まりであった。

「ありがとうございました!」とお互いに好青年っぷりを発揮した別れのあと、届いた荷物を父宛、母宛、タカシ宛、竹平宛と宛先ごとに分けていく。...竹平?そこで気付いてしまった。

「違う家のやつ受け取ってるやんけ!」

しかも、その竹平家、伝票を見るにうちから遥か離れた長野県のお宅であった。長野と言えば「どこだよ長野って、岐阜?」というくらい、縁もゆかりも馴染みもない土地だ。やっちまった、と思った時にはすでに遅し。伝票の追跡番号をネットで調べてみると「集荷」の表示になっている。どうやらあのお兄さんはさっきこの荷物の配達以来を受けたんだろう。うっかりやさんめ。

とにかく電話をして回収しに来てもらわなくてはならない。なんか窃盗罪とかになったら嫌だしね。
そこでふとこの春にクレジットカードやら口座開設通知の受け取りや再配達で頻繁に市の中央郵便局に電話してしていたことを思い出した。

「ラッキー!電話番号調べなくても履歴が残ってるじゃん!」
と思い履歴から郵便局に電話したわけです。

「すみません、荷物を間違えて受け取ってしまったのですが...」
「そうですか!ご迷惑をおかけして申し訳ありません!お手数ですが伝票に記載されてい受付番号をお願いできますか?」
そう担当者に言われたので番号を伝える。その数字を聞いてパソコンに打ち込み荷物を調べるのだろうと思った。しかし、問題はここからだった。
「伝票番号を教えていただけますか?」
担当者がもう一度番号を聞いてきたのだ。
「いえ、あの、たぶんさっきの番号がそうだと思うんですけど」
「そうですか...ええと、番号をお調べしたんですが情報が出てこなくてですね...」
んなわけあるか、さっき追跡機能で調べたら出てきたぞ。まあさっき集荷したみたいだし、ネットの情報と郵便局のシステムだと反映速度に違いがあるのかと勝手に納得し、
「そうですか、でも番号はこれしかないみたいですね」
「種類はなんですか?ゆうパックですか?」
「種類?ええと、伝票には宅急便って書いてますね」
見たままの情報を伝える。
ゆうパック、ですかね?青い伝票の」
青?伝票はどちらかというと赤だ。たしかゆうパックは元払いが青、着払いが赤の伝票だった気がする。うーむ、お兄さんが受取証として持っていった伝票の一枚目、あれ青かったかなぁ。青だわ、うん青に違いない。何も考えずに受け取ったので記憶が本当に曖昧なのだ。
「だと思いますけど...」
「かしこまりました。お調べして判明しだい連絡いたします」
そういうわけで、通話は一旦終了した。
なんだろう、この釈然としない、会話が成立しているようなしていなような感じ。

念のためもう一度追跡番号を調べる。今はLINEの公式アカウントから調べられるようになっていて、再配達のときは自分もよく使用している。
やはり「集荷」になっている。なぜ担当者は荷物の確認がとれなかったのだろう。

しばらくして電話がかかってきた。郵便局の担当者の人だ。
「申し訳ございません、お調べしたのですがやはり確認がとれませんでした」
まさか、そんなことがあるのか。こっちではキチンと追跡できているのに。インターネットで調べるよう勧めるか迷っていると、
「それで、番号をインターネットで調べたのですが」
そう担当者が切り出した。最初からネットで調べればいいのに。
「その荷物『ヤマト』ではないですか?」
何を当たり前のことを。
「え、はい。クロネコヤマトの宅急便ですけど」
一瞬、相手が何を言わんとしているのかが、理解できなかった。しばらくの思考停止後急に気が付いた。

『自分はずっと、郵便局と電話していたのだ』

「す、すみませんでした!完全になにか勘違いをしてしまっていたようで!」
ひたすら謝った。それはそれは謝った。
「よかったです。それではヤマトさんに連絡をお願いしますね」
訳のわからないアホみたいな問い合わせにも関わらず、まるで山の朝のような爽やかな対応だった。

その後ヤマトに連絡をし、無事に事件は解決した。
自分はなぜ、あんな勘違いをしてしまったのだろうか。ヤマトのお兄さんから宅急便を受け取り、ヤマトの公式LINEから追跡をしたのに、なぜ最後の最後で郵便局にかけてしまったのか。しかし決して番号を間違えてかけた訳ではない。「郵便局にかける」とキチンと意識して郵便局にかけたのだ。もう荷物を間違えて受けとるという人生初の出来事に脳がエラーを起こしてしまったのだろう。

【ヤマトから間違って荷物が届いた】という情報入力から【郵便局に電話して回収してもらわなきゃ】という間違った答えを脳が出力してしまったのだ。

そして間違い電話であるにも関わらず途中までなんの問題もなく話がすすんでしまった。だからこそ自分の勘違いに最後の最後まで気付かなかった。

しかし、不思議と恥ずかしさはなかった。
人間ってこんな大勘違いができて最後まで気付かないんだという発見と、荷物を確認できない担当者の謎が解けた感動が上回った。おそらくこれが今年一番の出来事になるだろう。

最後に、勝手に勘違いに巻き込みご迷惑をおかけした郵便局の担当者N様、こんなアホに最後まで丁寧に対応していただきありがとうございました。高いところからではございますがあつく御礼並びに謝罪いたします。

以上!